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「来年、創業50周年を迎えます」——社内でその話が出たとき、最初に上がる案のひとつが周年ロゴです。
ところが、いざ動こうとすると手が止まります。通常の会社のロゴとは別に作るものなのか。いつからいつまで使うのか。作ったあと、どこに載せるのか。社内で聞いても、前回の周年は20年前で、当時の担当者はもういない。
この記事は、周年ロゴをデザインする人ではなく、社内で周年の準備を任された人のための記事です。周年ロゴが通常のロゴと何が違うのか、方向性をどう決めるのか、何を先に決めておくべきか、そして作ったロゴを実際に何へ展開していくのかを整理しました。
イラストとデザインを手がけている私たちアークデザインが、周年の節目にご一緒してきた制作物の実例とあわせて解説します。

周年ロゴとは
期間を区切って使う、もう一つのロゴ
周年ロゴとは、創業50周年・設立30周年・開業140周年といった節目に合わせて作り、その期間だけ使うロゴのことです。
最初に押さえておきたいのは、周年ロゴは通常のロゴを置き換えるものではないという点です。会社のロゴ(コーポレートロゴ)はそのまま使い続けたうえで、期間を区切って「もう一つのロゴ」を増やす。これが基本的な考え方です。
身近なところでは、名刺の隅に小さく添えられた「◯◯周年」のマーク、封筒やDMに通常のロゴと並んで入っているマーク、記念イベントののぼりやポスター、記念サイトのトップ、社員のピンバッジ。「見たことはあるが、わざわざ作るものだとは思っていなかった」という方が少なくありません。
通常のロゴとの違い(併存させる/置き換えない)
2つを並べると、性格の違いがはっきりします。
| 通常のロゴ | 周年ロゴ | |
|---|---|---|
| 使う期間 | 期限なし。長く使い続ける | 期間限定。決められた期間だけ |
| 役割 | 会社そのものを識別する | 節目を伝える。「続いてきたこと」を示す |
| 主な置き場所 | 看板・名刺・Webサイト・車両など常設のもの | 挨拶状・DM・ノベルティ・記念イベント・記念サイト |
| 単独で使うか | 単独で使う | 通常のロゴと並べて使うことが多い |
もっとも起こりやすい行き違いが、ここです。周年ロゴを「新しい会社のロゴ」として受け取ってしまい、看板や車両まで貼り替えてしまう。すると、周年が終わったときにすべてを元に戻す作業が発生します。
周年ロゴは、増やすものであって、入れ替えるものではありません。 社内への最初の案内文にこの一行を入れておくだけで、後の混乱がかなり減ります。
なお、「そもそも会社のロゴをどう作るか」という通常のロゴの話は、別の記事でご紹介しています。
→ かっこいい!スタイリッシュ!企業様、会社様のロゴをアークで作ってみませんか?
→ 企業の印象はロゴで決まる!?記憶に残るコーポレートロゴデザイン✨✨実績ご紹介🎶
「周年ロゴマーク」「記念ロゴ」と呼び方が揺れる
この分野は、社内と制作会社とで呼び方が食い違いやすいところです。
- 周年ロゴ
- 周年ロゴマーク
- 周年記念ロゴ
- 記念ロゴ
- アニバーサリーロゴ
結論から言えば、これらはおおむね同じものを指していると考えて差し支えありません。 「ロゴ」と「ロゴマーク」の違いも、日常の会話ではほとんど区別されていません(厳密には、図形部分を「マーク」、文字部分を「ロゴタイプ」と呼び分けます)。
ひとつだけ注意したいのが、「記念ロゴ」は周年以外も含む広い言葉だという点です。受賞記念、新工場の稼働記念、オープン記念。これらも「記念ロゴ」と呼ばれます。稟議書や依頼文には、「創業50周年の記念ロゴ」のように、何の記念かを必ずセットで書いてください。

周年ロゴを作る目的
何のために作るのかが決まっていないと、デザインの良し悪しを判断する基準がなくなります。 実務でよく挙がる目的は、大きく3つです。
社外に「続いてきたこと」を伝える
何年も事業が続いているという事実は、それ自体が説明の要らない信頼材料です。ただし、社外の人はその年数を知りません。 周年ロゴは、その年数を言葉で説明せずに伝える手段です。挨拶状や封筒、名刺、営業資料の隅に小さく入っているだけで、受け取った側は「この会社は長い」と受け取ります。とくに効くのが、取引を始めるかどうかを検討している相手です。
社内の節目をつくる
周年は、普段は口にしない「この会社が何をやってきたか」を社内で共有できる、数少ない機会です。ところが、社長の挨拶と記念式典だけで終わると、参加した人の記憶にしか残りません。
周年ロゴがあると、その1年のあいだ、社員が毎日目にする場所に節目が置かれます。名刺、メール署名、ユニフォーム、社内掲示。「今年は特別な年だ」という認識が、言葉ではなく視界の中に置かれます。
周年の企画全体に一本の軸を通す
3つ目が、実務的にはもっとも効く理由です。周年の年には、挨拶状、DM、封筒、ノベルティ、記念サイト、イベントののぼりとポスターと、制作物が同時に発生します。別々のタイミングで、別々の担当者が手配すると、まとまりのない一式ができあがります。
周年ロゴは、そのすべてに共通して載る要素です。軸が1本通っているだけで、バラバラに作った制作物が「同じ周年の企画」として見えるようになります。 逆に言えば、周年ロゴを最初に決めておくと、あとに続く制作物の判断が速くなります。 色もトーンも、ロゴに合わせればよいからです。
デザインの方向性の決め方
デザインそのものは制作会社が考えますが、方向性の判断は発注側が下すことになります。 判断の材料として、押さえておきたい軸を整理します。
数字を主役にするか、シンボルを主役にするか
周年ロゴのデザインは、大まかに次の4つに分かれます。
| 型 | 主役になるもの | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 数字型 | 「50」「70」「140」といった年数 | 何年目かを一番に伝えたいとき |
| シンボル型 | 記念のために作った図形・モチーフ | 年数より「これから」を打ち出したいとき |
| 組み合わせ型 | 数字+通常ロゴの要素 | 会社との結びつきを保ちたいとき。もっとも一般的 |
| 文字型(ロゴタイプ) | 「50th Anniversary」などの文字組み | 落ち着いた印象にしたいとき |
50周年ロゴのように節目が大きい年は、数字型か組み合わせ型が選ばれやすい傾向があります。「50」という数字そのものに意味があるためです。数字が小さい年は、数字だけでは印象が弱くなることがあります。
「おしゃれな周年ロゴにしたい」というご要望もよくいただきますが、「おしゃれ」は人によって指しているものが違います。 色数を絞るのか、細い線と余白で軽やかにするのか、金や箔の質感で格式を出すのか、手描きの文字で温かみを出すのか。どれに近いかだけでも決めておいていただけると、話が早く進みます。
言葉にしにくい場合は、「こういう雰囲気」と思える画像を3枚ほど持ってきてください。 理由まで説明できていなくても、並べて見れば共通点はこちらで読み取れます。
通常ロゴの要素をどこまで引き継ぐか
次の判断が、通常の会社のロゴから何を引き継ぐかです。引き継げるのは、主に色(コーポレートカラー)・書体・図形のモチーフ・線の太さや角の丸みといった質感の4つ。引き継ぐ要素が多いほど「同じ会社のものだ」と一目で分かる代わりに、周年らしい特別感は出にくくなります。逆に引き継ぎが少ないほど自由度は上がりますが、会社と結びつかない独立したマークになる危険があります。
実務でよく落ち着くのは、色は引き継ぎ、形は新しく作るという組み合わせです。色が同じであれば、形が違っても同じ会社のものとして受け取られます。
私たちが通常のロゴを制作するときも、社名の由来や企業理念をお聞きしたうえでモチーフを複数の方向に展開してご提案し、ブラッシュアップして決めていきます(進め方はロゴ&名刺の制作実績でご覧いただけます)。
周年のキャッチコピーを添えるかどうか
周年ロゴには、短いキャッチコピー(スローガン)を添えることがあります。添えるかどうかは、ロゴのデザインが決まる前に決めておいてください。 後から追加すると文字の入る場所がなく、ロゴの形そのものを作り直すことになります。
判断の目安は、どの媒体で中心的に使うかです。挨拶状・記念サイト・ポスターのように面積の取れる媒体が中心ならコピーが効きます。名刺・封筒・ノベルティのように小さく使う場面が中心なら、コピーは読めなくなります。両方の場面があるなら、「コピーあり版」と「ロゴのみ版」の2種類を最初から作っておくのが確実です。
なお、私たちの場合、書文字(手書きの文字)でロゴやコピーをお作りすることもできます。 老舗や伝統のある業種の周年と相性のよい選択肢です。
「周年らしさ」を出しすぎると使いにくくなる
ここが、周年ロゴでもっとも見落とされる論点です。周年のロゴには、つい祝いの記号を足したくなります。リボン、クラッカー、花、金色のグラデーション。1点ずつは間違っていません。
問題は、周年ロゴが1年間、あらゆる場所に載り続けることです。名刺の隅に5mm角で入り、封筒には黒1色で刷られ、社用車のステッカーとして遠くから見られ、色のついた紙や布にも載ります。装飾が細かいロゴは、小さくすると潰れ、単色にすると何の形か分からなくなります。
そこで、ラフを出してもらう段階で、次の3つを一緒に確認してください。
1. 小さくしたとき(名刺に入る大きさ)に形が分かるか
2. 単色にしたとき(黒1色・白抜き)に成立するか
3. 背景が白以外でも読めるか
この3つを通過したデザインは、1年間のどんな使い方にも耐えます。装飾は、ポスターや記念サイトなど大きく使える場所で足せばよいのです。
社内公募をやるかどうか
周年ロゴを社内公募で決める会社もあります。社員の参加機会になり、周年そのものへの関心が高まるのが利点です。やる場合は、完成データではなく「こういう方向はどうか」というアイデアを募り、仕上げは制作会社が行う形をおすすめします。完成データを募ると、応募できる社員が限られるためです。
そして、公募には告知・募集・選考で少なくとも1〜2か月が別途かかります。 この期間を制作期間に上乗せして逆算してください。後から「せっかくだから公募にしよう」と決まると、間に合わなくなります。

使用ルールを先に決める
周年ロゴは、作った後に多くの人が使います。 営業部、総務、広報、外注先の印刷会社やイベント会社。手が増えるほど、使い方はばらつきます。だからこそ、デザインと同じくらい、使用ルールを決めておくことが重要になります。
いつからいつまで使うか
多いのは、「周年を迎える月の少し前から、翌年の同じ月まで」の1年間です。会社によっては事業年度に合わせることもあります。どちらでも構いませんが、決めて社内に明示してください。
同時に、開始日より前に使ってよいかと、終了後の在庫をどうするかも決めておきます。封筒を5,000枚刷ったが、周年が終わっても2,000枚残っている。使い切ってよいのか、廃棄するのか。 先に決めておかないと、現場で判断が割れます。
どこに載せる・載せないか
「どこに載せるか」より、「どこには載せないか」を決めるほうが実務では効きます。 例としては、契約書・請求書などの正式書類、製品や表示ラベル(在庫が長期間残るため)、社外の会社と共同で出す資料(相手の周年ではないため)。ここを決めずに「基本的にどこでも」とすると、周年が終わったときに回収作業が膨らみます。
通常ロゴと並べるときの決まりごと
周年ロゴは、通常のロゴと並べて使うことがほとんどです。この「並べ方」を決めておかないと、媒体ごとにバラバラになります。 決めておきたいのは、置く位置(通常ロゴの右か下か)、大きさの比率、あいだの余白、そしてどちらを主にするか(通常ロゴを主にするのが基本)の4点。
この4点は1枚の図にしてもらい、社内と外注先に配ってください。
周年が終わったあとどうするか
見落とされがちですが、終わり方まで決めておくと後がきれいです。 決めるのは3点。いつ、誰が、どの媒体から外すのか(Webサイト・メール署名・名刺・掲示物の一覧を作っておく)、データを残すのか(記念誌や社史で後から使うため、保管が基本)、次の周年で流用するのかです。
最後の点は費用に効きます。10年後にまた作り直すのか、数字を差し替えて使うのか。 後者を前提にするなら、数字を差し替えやすい構成で作っておく必要があります。これは作る前にしか決められません。
周年ロゴを何に展開するか
周年ロゴは、作って終わりではありません。何に載せるかが決まって初めて、投資として意味を持ちます。 ロゴのデータだけがサーバーに残り、結局ほとんど使われなかった——これは実際によくある結末です。ここでは、私たちが周年の節目にご一緒してきた制作物を例に、展開の考え方をご紹介します。
挨拶状・DM・封筒
もっとも多いのが、取引先へ送る挨拶状です。周年の報告、社長交代の挨拶、記念イベントの案内。周年ロゴが最初に世に出るのは、多くの場合この紙の上です。
大府市の一誠商事様の50周年では、挨拶状・DM・封筒を制作させていただきました。派手なビジュアルを得意としている私たちですが、こうした正統派できちんとしたデザインも手がけています。
もうひとつお伝えしておきたいのが、デザイン・印刷(宛名印字を含む)・投函までを一貫してお引き受けできる点です。周年の挨拶状は送り先が数百件から数千件になることがあり、デザイン会社・印刷会社・発送代行と3社に分かれると、担当者の連絡量がそのまま増えます。

→ 【周年・社長就任挨拶】大府市 一誠商事様 50周年デザイン🚛🎉【DM】【ダイレクトメッセージ】【封筒】
封筒・名刺・チラシ・大型ポスターといった印刷物の仕様(サイズ・紙質・加工・納期)は、印刷のページにまとめています。
ノベルティ・記念品
展開先として定番なのが、配布物です。一誠商事様では、トラックの形をしたオリジナルのボックスティッシュを制作させていただきました。実際に使われているトラックを描き起こし、ナンバープレートに設立日を入れています。

→ 【ノベルティ】大府市 一誠商事様 50周年デザイン🚛🎉【ティッシュBOX】
ノベルティの選び方や費用、依頼の流れは別記事でくわしく解説しています。
→ 【企業様向け】周年記念やノベルティに「オリジナルキラキラシール」制作の魅力と活用法
メインビジュアル・ポスター
周年ロゴを大きく使う場面も出てきます。記念イベントのポスター、会場の看板、記念サイトのトップ画像。ここでは、ロゴを中心に据えた一枚絵を作ることになります。
蒲郡競艇場の開設70周年にあたって行われた『G1オールジャパン竹島特別2025』では、メインビジュアルを制作させていただきました。中央に70周年のロゴを据え、その手前に選手や実況の方、歓声をあげる観客、競艇場の建物や看板を少年漫画のタッチで描き込み、祝祭の瞬間を一枚に収めています。
ここから分かるのは、周年ロゴは「大きく使う場面」も想定して作っておく必要があるということです。名刺だけを考えると、ポスターに引き伸ばしたときに物足りなくなります。逆に大きく使う前提だけで作ると、小さくしたときに潰れます。両方の使い方を先に伝えておいてください。

→ ㊗️70周年✨蒲郡競艇『G1オールジャパン竹島特別2025』のメインビジュアルを制作しました!
サイネージ・動画で動かす
もうひとつ検討する価値のある選択肢が、周年ロゴを動かすという方向です。駅や商業施設のモニター、展示会、会社説明会の冒頭、記念式典のオープニング——周年の年には、映像を流せる場面が思いのほか多く発生します。
名古屋駅の開業140周年では、JRゲートタワー前のデジタルサイネージで放映された記念動画のイラスト制作を担当させていただきました(企画・構成・映像製作は株式会社ソアズロック様)。明治から令和までの時代の移り変わりを、一人の少女の旅として描いた作品です。時代ごとに絵のタッチそのものを変え、絵柄の変化で時間の流れを表現しています。
周年は、映像と相性のよい題材です。「続いてきた」という内容は、時間の流れそのものだからです。静止画では一枚に凝縮するしかない年月を、映像なら順番に見せられます。

→ 【名古屋駅開業140周年記念】デジタルサイネージ動画のイラスト制作を担当させて頂きました。
ロゴや図形といった動かない素材に動きをつける表現は、モーショングラフィックスと呼ばれます。周年ロゴを数秒間のアニメーションにしておくと、映像の冒頭・末尾、式典、SNS、展示会と繰り返し使い回せます。 手法や依頼の進め方は、別記事にまとめました。
→ モーショングラフィックスとは|種類・活用シーンと依頼の進め方を実例で解説
展開先を先に決めると、ロゴの作り方が変わる
ここまで4つの展開先を見てきました。展開先を先に決める必要があるのは、展開先が決まるとロゴに求められる条件が決まるからです。
| 展開先 | ロゴに求められること |
|---|---|
| 名刺・封筒・書類 | 小さくても読める。単色でも成立する |
| 挨拶状・DM | 整った印象。装飾より品位 |
| ノベルティ・記念品 | 形の制約を受ける。丸い面、細長い面にも収まるか |
| ポスター・メインビジュアル | 大きく引き伸ばしても持つ。主役になれるか |
| サイネージ・動画 | 動かせる構造か。要素が分解できるか |
「とりあえずロゴだけ先に作って、使い道は後で考える」がうまくいかないのは、条件が分からないまま作ったロゴが、後から出てきた用途に合わないことがあるためです。
相談の最初の段階で、「使う可能性のある場所」をすべて挙げてください。 全部作るかどうかは後で決めて構いません。可能性として挙がっているだけで、それに耐える設計にできます。
制作の流れと、各段階で発注側が決めること
制作の工程は、多くのデザイン会社でおおむね共通しています。私たちの場合は、お問い合わせ・リスニング・お見積り → ご提案・ラフ制作 → 本制作・確認 → 修正・校正・アフターサポートという流れです(詳細はデザイン紹介のページにまとめています)。
ここでは工程の説明ではなく、各段階で発注する側が何を決めることになるのかを整理します。
相談の前に決めておくと早い3つ(周年の時期・使う範囲・予算の枠)
「まだ何も決まっていないのですが」という段階でご相談いただいて構いません。 ただ、次の3つは、決まっているかどうかで初動の速さが違います。
| 決めておくこと | なぜ必要か |
|---|---|
| 周年の時期 | 何年の何月が節目か。ここから全体の逆算が始まります |
| 使う範囲 | 挨拶状だけか、ノベルティやイベントまで含むか。ロゴに必要な条件がここで決まります |
| 予算の枠 | ロゴ単体か、展開物まで含めた総額か。枠が分かれば、その中での組み立てをご提案できます |
「予算は伝えないほうがよいのでは」と考える方がいますが、逆です。 先にお伝えいただくと、その範囲で何ができるかを組み立ててご提案できます。あわせて依頼内容・依頼の目的・納期・ご予算・参考イメージをご用意いただけると、お見積りの精度が上がります。お見積りの提示自体は、通常1〜3営業日でご返答しています。
ラフの段階で確認すること
ラフや提案資料が提出される段階が、発注側にとって最も重要な工程です。 確認しておきたいのは次の点です。
- 年数・年号・創業年の表記が正しいか(「創業」なのか「設立」なのか。ここは意外と社内で食い違います)
- 小さくしたとき・単色にしたときに成立するか(前述の3つのチェック)
- 通常のロゴと並べたときのバランス
- キャッチコピーを添えるかどうかが決まっているか
私たちの場合、本制作が始まると修正が難しくなるため、ラフ制作の段階で修正のご依頼をいただくようお願いしています。 後戻りの費用と時間をお客様に負担していただかないための順序です。
とくに周年ロゴでは、年数の誤りが致命的です。印刷してから気づくと刷り直しになります。ラフの段階で、数字を声に出して読み合わせてください。
社内の合意形成をどこで取るか
周年ロゴは、会社そのものを表し、全社員が目にするため、社内で意見が割れやすい制作物です。対策はひとつしかありません。ラフの段階で、最終承認者に見てもらうことです。 本制作が終わってから役員や社長の意見が入り、根本からやり直しになる——これは周年の準備でもっとも起きやすく、もっとも損失の大きい事故です。周年は日付が動かせないため、やり直しの余地が小さいという事情もあります。
進め方は、担当者レベルで方向性を絞る → 絞った案でラフを出してもらう → 最終承認者にラフの段階で見てもらう → 承認後に本制作をおすすめします。案を多く見せるほど、判断は拡散します。多数決で決めないことも、実務上のコツです。「誰が決めるか」を先に決めておくほうが、結果的に早く、納得感も残ります。
データ形式と使用ルールの受け取り方
完成したら、データと使い方のルールをセットで受け取ってください。 ここが抜けると、社内や外注先が使えません。
| 受け取るもの | 用途 |
|---|---|
| 印刷用のデータ | 挨拶状・封筒・ポスター・ノベルティの制作会社へ渡すもの |
| Web用のデータ | サイト・メール署名・SNS・社内資料用 |
| 単色版(黒1色・白抜き) | 単色印刷、刺繍、刻印など |
| 使い方のルール | 通常ロゴとの並べ方、最小サイズ、余白、やってはいけない使い方 |
「使い方のルール」は、立派な冊子である必要はありません。 A4で1〜2枚、図が入っていれば十分に機能します。社内と外注先に配っておくと、1年間の問い合わせがはっきり減ります。
なお私たちの場合、データの保管はもちろん、展開後のご相談や追加のご依頼もアフターサポートとして承っています。 周年ロゴは1年かけて使うものなので、「あの媒体にも載せたい」という話が途中で必ず出てきます。納品後の相談に応じてもらえるかを、依頼先を選ぶ段階で確認しておくと安心です。

費用と期間の考え方
金額が変わる条件
同じ「ロゴ1点」でも、条件によって作業量は何倍も変わります。見積りを比べるときは、次の項目が含まれているかを確認してください。 金額差の理由は、ほぼここにあります。
| 確認する項目 | 何が変わるか |
|---|---|
| 提案する案の数 | 最初に何案出るか。案数が増えれば作業量も増えます |
| 修正の回数 | 何回まで無料か、それ以降はどうなるか |
| 展開物が含まれるか | ロゴ単体か、挨拶状・封筒・ノベルティのデザインまで含むか |
| 使い方のルールを作るか | 並べ方や最小サイズをまとめた資料の作成が含まれるか |
| データの種類 | 印刷用・Web用・単色版をどこまで納品するか |
| 著作権の扱い | 譲渡を希望するかどうかで条件が変わります |
起きやすい行き違いが、「ロゴ単体の金額」と「展開物まで含んだ金額」を並べてしまうことです。安く見えた見積りが実はロゴ1点だけで、後から封筒とDMの費用が別に発生した、という話は珍しくありません。何が含まれているかを揃えてから比べてください。
私たちの場合、簡単なお直しは無料で対応しています。お客様都合による大幅な変更や描き直しは別途修正費用をいただく場合がありますので、お見積りの際にご説明しています。
いつから動き始めるとよいか
周年は、日付が動きません。 逆算に必要な工程を並べると、次のようになります。
| 工程 | かかる時間の考え方 |
|---|---|
| 相談・お見積り | お見積りの提示は通常1〜3営業日 |
| ご提案・ラフ制作 | 案を出し、絞り込み、社内で承認を取る期間 |
| 社内公募をやる場合 | 告知・募集・選考で1〜2か月が別途必要 |
| 本制作 | 通常1週間〜1か月 |
| 展開物のデザイン | 挨拶状・DM・封筒・ノベルティなど、点数の分だけ必要 |
| 印刷・製造 | 名刺は最短3営業日、ハガキ・チラシ・ポスターは最短2営業日から。部数・加工・ノベルティの製造で大きく変わります |
| 社内への周知 | 使い方のルールを配り、各部署が差し替える期間 |
このうち「社内で承認を取る期間」と「社内への周知」だけは、私たちの側では短くできません。
そのうえでの目安ですが、ロゴだけであれば数か月、挨拶状やノベルティなど展開物まで含めるなら半年以上の余裕をみておくと無理がありません。社内公募を予定している場合は、さらに1〜2か月を上乗せしてください。
直前に動き出すと、選べるものが減ります。 印刷の特急対応や、製造の早いノベルティに選択肢が絞られ、結果として費用も上がります。まだ何も決まっていない段階でご相談いただいて構いません。
よくある失敗
最後に、周年の準備でつまずきやすい3つを挙げておきます。どれも、順序を間違えることで起きます。
ロゴだけ作って、展開先が決まっていない
もっとも多い失敗です。周年ロゴは完成したが、それを載せる制作物が決まっていない。 結果、記念サイトの隅に置かれただけで1年が終わります。使う場所を先に挙げてから、ロゴの相談に入ってください。
通常のロゴと入れ替えてしまう
看板・車両・製品表示まで貼り替えてしまうと、周年が終わったときに全部戻す作業が発生します。 費用も二重にかかります。社内への最初の案内で、「通常のロゴはそのまま。周年ロゴは並べて使います」と明記してください。
周年の直前に動き出す
「気づいたら3か月前だった」というご相談も、実際によくいただきます。作れないわけではありません。 ただし、社内公募はできず、提案を見比べる余裕もなく、印刷は特急対応になり、ノベルティは間に合わないものが出ます。
周年の日付は、何年も前から分かっているはずのものです。分かった時点で相談を始めるだけで、ここまでの3つはすべて避けられます。
依頼前のチェックリスト
相談する前の整理用としてまとめておきます。すべてが決まっている必要はありません。
| 項目 | |
|---|---|
| 決めておきたいこと | 周年の時期(何年の何月が節目か) |
| 「創業」「設立」「開業」のどれを使うか、その年は何年か | |
| 使う可能性のある場所(実際に作るかは後で決めてよい。可能性として全部挙げる) | |
| 使用する期間(いつからいつまで) | |
| 予算の枠(ロゴ単体か、展開物まで含むか) | |
| 社内で誰が最終承認するか | |
| 社内公募をやるかどうか | |
| 決まっていなくてよいこと | デザインの方向性(数字型・シンボル型など) |
| 色・書体・モチーフ | |
| キャッチコピーの文言 | |
| 参考イメージ(あれば早いが、なくても進められます) | |
| 展開物ごとの具体的な仕様 |
方向性が固まっていない段階でも問題ありません。上の「決めておきたいこと」さえ揃っていれば、そこから先は一緒に考えていける部分です。
まとめ
この記事の内容を振り返ります。
| 論点 | 押さえておきたいこと |
|---|---|
| 何か | 周年の節目に作り、期間を区切って使うもう一つのロゴ |
| 通常ロゴとの関係 | 置き換えない。並べて使う。増やすものであって入れ替えるものではない |
| 呼び方 | 「周年ロゴマーク」「記念ロゴ」も同じものを指す。ただし何の記念かはセットで書く |
| 方向性 | 数字型・シンボル型・組み合わせ型・文字型の4つ。色は引き継ぎ、形は新しくが落ち着きどころ |
| 設計の条件 | 小さく・単色・背景が白以外の3つで成立するか。ラフの段階で確認する |
| 先に決めること | 使用期間、載せない場所、通常ロゴとの並べ方、終わったあとの扱い |
| 最重要 | 展開先を先に決める。何に載せるかで、ロゴに必要な条件が変わる |
| 確認のヤマ場 | ラフの段階。年数の表記と、最終承認者の確認をここで通す |
| 逆算 | 周年の日付は動かない。展開物まで含めるなら半年以上の余裕を |
周年ロゴは、好みで決めるものではありません。どこで、どれくらいの期間、誰が使うのかによって決まります。 ここが決まっていれば、あとはデザイン会社と一緒に組み立てていけます。
アークデザインのロゴ・周年ツール制作について
私たちアークデザインは、名古屋を拠点に20年以上にわたって、企業・店舗のデザイン制作に携わってきました。イラスト制作を本業としてきた会社であり、ロゴなどの紙面デザインから、看板・衣類・のぼりといった立体物、印刷、映像まで、社内で一貫して手がけています。

ロゴ制作
ロゴといっても表現はさまざまです。きちんとしたもの、イラストを添えた親しみやすいもの、筆文字のもの。業種や用途に合わせて、想いをお聞きしたうえで丁寧におつくりします。 書文字(手書きの文字)でのロゴ制作にも対応しています。
周年の展開物
挨拶状・DM・封筒・パンフレット・ポスター・ノベルティ・のぼり・看板、そしてサイネージ動画まで。周年の年に必要になるものを、まとめてご相談いただけます。 デザインだけでなく、印刷・宛名印字・投函まで一貫して対応できる体制があります。
周年の準備は通常業務と並行して進むことがほとんどです。 窓口をまとめられることは、実務上の利点になります。
「何を作るべきか」から迷っている段階でも
周年をやることは決まったが、何を作ればよいのかから迷っている。そうした段階からのご相談も承っています。伝えたい相手、この周年で達成したいこと、これまでの経緯をお聞きしたうえで、そもそも何を作るべきかから一緒に考えます。デザインを単発の制作物としてではなく、事業の課題を解決する手段として設計する取り組みです。